坂本さんとの三日間連続稽古終了。
セット場切りを出来る広い稽古場で、音響、照明、美術の各スタッフに、最初からおしまい迄、なんとか全体が見通せるようにやってみた。
舞台美術が見えて来て、検討日には解決できなかった重大なことを検討変更し、行動線や居場所の無理を解決してゆく。
単純に物理的不可能ということもあるが、それ以上に、意味、動機、行動原理としてあり得ない、も坂本さんから鋭く指摘された。
ここを降りるのは何故だ、こちらに移動する意味がない、、、。
六割は、「モノありき、絵をつくる」という私の安直な習慣だろうとグサグサと突き刺さり、
ぼろぼろと壊れて行く。
むき出された芯が、意味を探し、動機を見つけ、おのずと行く先を示す。
そして、震える心を奮い起こして、4割はファンタジーの方法なのだ、と踏んばる。
筋金入りの本格俳優が読み解く安吾世界と、ファンタジーの構造との擦り合わせを、意味をしっかり伝えて納得してもらう力量の足りなさ、かなしい〜。
ニンギョウゲキだからなのではない。
ファンタジーにも、ファンタジー独特のルールがあり、それにそって読み解いていける世界がある。それを雰囲気ではなく成文化できるほどクリアに共演者に伝えられなければ観客に伝わるわけはない。という何度となくぶちあたった最大にして唯一の難関と真っ向勝負の三日間だった。
本番立つより怖いくらいな思いだった。
60代の私がヘロヘロ、40代の次実さんだってヘトヘト。80代の坂本さんはどれだけお疲れかと気を揉むが、諦めない。
不足の事態に立ち向かい、自分の芝居を探り続ける。
毎朝、早朝に啓示がくる?
苦肉の対処法は全部やめ!!
そんな小細工しなくても大丈夫だ。
上手く行けばかなり素敵な世界が立ち上がる基盤は出来ている。
何処迄立ち上がるか。すっくと背筋を延ばす迄立ちたい。
というわけで、写真は一枚もなし。