出演者紹介その②塚田次実
明日より4日間、キラリ✩ふじみでの12月劇場入り集中稽古に入ります。ご紹介二人目は、このひと!genre:Grayの「風神雷神」こと、塚田次実です。
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塚田次実(genre:Gray)
母は青森県黒石市の出身で、「冬には明日死ぬかもしれないと思って生きていた。だから夏の祭の解放がある。」というような話をよく聞かされました。
「水仙月の四日」を読むと、そんな事を思い出します。
雪国で育った訳ではない自分にとって、冬を越えるという言葉の重さを身を持って理解はしてはいない。
でも、自分のチカラ及ばないものに対しての畏れは、人形やモノと向き合い、命を扱うものとして忘れてはならないことと通じています。
そして「モノ語り◇水仙月の四日」に含まれる、もうひとつの宮沢賢治作品「ガドルフの百合」。
「ガドルフの百合」は、私の中で宮沢賢治作品ベスト1です。
何故だか雨が降っている作品が好きな傾向があるのですが、画が切るように差し込まれてくる描写の中で、
自我の葛藤を自然の中に見るこの作品が、これまた人形やモノに対する時の葛藤に通じるものを感じます。
初演時とは遣い手として、この二作品への距離感がだいぶ変化していると感じつつ、傲慢さを見つめ、畏れを忘れず、モノだからこそ語れる「モノ語り◇水仙月の四日」に向かいたいと思います。
●プロフィ-ル
1999年にチェコの革新的な人形・舞台美術家ぺトル・マターセクのオブジェクトシアターWS『人形演劇プロジェクト2000』に参加し、“モノ”の表現を学ぶ。2000年には同プロジェクトの有志とオブジェクトシアター「ヂバドロ・アノ」を結成し、以後“モノ”と共に舞台に立ち続け、数々の作品を発表。岡本芳一(百鬼どんどろ)脚本・演出による『夢のうつつ 現つのゆめ』シリーズにて「フェイク」を国内外で公演。また黒谷都による「人形やモノの表現を長期に渡り探り作品発表をするWS『月の娘たち』」に学び、共に「genre:Gray 利己的物体と奉仕的肉体によるグロテスク」メンバーとしても活動。現在“モノ遣い”と名乗り、独自に舞踏や演劇公演に出演しながら、他ジャンルとの恊働創作の場を広げつつ、人形、オブジェを操る遣い手として活動中。